集中力を高めて、100%の力を出すためには
集中力を高めて、100%の力を出すためには
普段はそこそこに、「ここぞ!」というときには、ぐっと集中力を高める。
このように自分の意志で、集中力をコントロールできれば、勉強や仕事、スポーツで自分の力を最大限発揮できます。
「静かな場所」なら集中できる。それって本当?
「静かな場所」なら集中できる。それって本当でしょうか?
例えば、図書館
図書館は静かです。しかし、静かゆえに「小さな音」が気になってしまいます。
例えば、近くの人が頻繁に席を立つと、その音が気になり集中できません。
そして、一旦気になると、「また、席を立った・・・」「あ~、イライラする!」など、逆に集中力が低下してしまいます。
つまり、「静かな場所でも集中できるとは限らない」ということです。
それに、「うるさい場所」でも集中できる場合があります。
例えば、プロ野球選手
プロ野球選手は、大観衆に囲まれ、大声援を受けながらプレーしています。
しかし、
ピッチャーがボールを投げる瞬間
バッターがボールを打つ瞬間
この瞬間は、ピッチャーもバッターも周りの雑音なんて耳に入ってきません。そのプレーに集中しています。
どうやら、周りがうるさくても集中できる方法がありそうです。
必要なのは「安定した環境」
集中力を発揮するために必要なのは、「静かな環境」ではなく、「安定した環境」です。
例えば、プロ野球選手の場合、大歓声が急にピタッと消えて静かになったら、ビックリして集中できません。逆に、静かな状態から急に大歓声が起こった場合もビックリして集中できません。
うるさいならうるさいままに。静かなら静かなままに。
集中力を高めるためには「安定した環境を整える」ことが大切です。
「安定した環境」だけでは不十分
ただ、「安定した環境」だけでは不十分です。
例えば、図書館を1人で占有できたとしても、バリバリ勉強や仕事がはかどるわけではありません。
そこで、この記事では「集中力を高める7つのポイント」について紹介していきます。
- 安定した環境を整える
- 心を安定させる
- 選択肢を1つにする
- 短い時間で区切る
- 適度に休憩する
- 競争心を利用する
- メリットを明確にする
安定した環境を整える
耳を安定させる
「今まで聞こえていた音」が急に聞こえなくなったり、「今まで聞こえていなかった音」が急に聞こえると、「あれ?どうしたんだろう?」とそちらに集中力が奪われてしまいます。
うるさいならうるさいままに。静かなら静かなままに。
ただ、日常生活でこのような環境を見つけることは簡単ではありません。意図的に整える必要があります。そこでおススメなのが次の方法です。
静かな環境を整えるのであれば、「耳栓」がおススメです。ほとんどの音を遮断してくれます。(多少は聞こえますが・・・)
耳栓は、100均やドラッグストアーなど、身近なお店で入手することができます。
「耳栓はイヤ、でも、周りがうるさい・・・」
そんなときには、いっそのこと「うるさくする」のもおススメです。
例えば、「川のせせらぎの音を流す」、「歌詞のない音楽を流す」などです。これらの音は、癒し効果もあります。
※ ただし、歌詞のある音楽は、つい口遊(くちずさ)んでしまうのでおススメできません。
目を安定させる
「耳」を安定させるだけでは不十分です。「目」など、他のことも安定させる必要があります。
「動くもの」があると、本能的に目がそれを追ってしまいます。
つまり、人や車が視界に入ると、集中力を削がれてしまいます。視界の範囲には、それらのものが入らないように遮断してみてください。
「興味の強いもの」にも目が惹かれてしまいます。
スマホやマンガ、ゲーム、雑誌など、興味の強いものがあると、そちらに集中力を奪われてしまいます。集中したいときには、それらを目の届かない場所、手の届かない場所に隠すことが重要です。
鼻を安定させる
ふとした瞬間に、美味しそうな香りが漂ってきたら、ご飯のことで頭の中がいっぱいになってしまいます。
また、嫌な臭いがする場合も、気になって集中できません。
できるだけ無臭の環境を選んでください。
無臭は少し味気ないと感じる方は、自分の好きな香り(アロマオイルなど)で鼻を安定させてみてください。
人間関係を安定させる
一番集中力を削がれるのが、「周りの人から話しかけられること」です。話しかけられた瞬間に、集中力は完全に途切れてしまいます。電話やメール、ラインなども同じです。
防ぐためには、「個室に入る」、「携帯電話の電源を切る」などの対応が必要です。
こんな環境どうやって作るの?
「こんな環境どうやって作るんだ!」と思われる方もいるかもしれません。
実は、簡単に作れる場所があります。それは、「自宅」です。自宅であれば、先述の内容をなんなくクリアーできるはずです。
図書館や喫茶店、自習室などに行く人がいますが、集中するという観点ではあまりおススメできません。自宅の環境を整えてしまえば、自宅の方が100倍集中できます。(100倍はあくまで例えですが・・・)。
図書館などは、「時間が空いたけど、自宅に帰ると時間をロスしてしまう場合」などに使うことをおススメします。
心を安定させる
自分の周りが安定した環境になったとしても、自分自身の心が安定していなかったら、意味がありません。
お腹は二~五分目程度にしておく
お腹いっぱいだと
- 眠くなる
- やる気がなくなる
- 苦しい
など、集中すること難しくなります。
かといって、お腹がすき過ぎても、ご飯のことばかり考えてしまいます。
そこでおススメなのが、「お腹を二~五分目程度」にすることです。
お腹がすいたときにガツンと食べるのではなく、おにぎり1個程度(200kcal程度)を食べるとそのくらいになると思います。
「少しお腹はすいてるけど、我慢できる程度」にしておくことで、集中力を保つことができます。
異性との接触は避ける
近くに異性がいると、本能的に異性を気にしてしまいます。
異性が近くに来ない場所を選びましょう。
※ ただし、異性がいることで「火事場の馬鹿力」的な集中力を発揮できることもあります。しかし、それはドーピングのような一過性のものです。長時間安定して集中力を発揮したいのであれば、異性との接触は避けましょう。
イライラは禁物
イライラしていると、そのことにばかりに気をとられてしまい、集中できません。(そもそも、イライラする時間ほど、ムダな時間はありません。)
イライラから解放されるおススメの方法は「声に出すこと」です。
何でもいいのですが、例えば、
「あんなヤツのこと考えるだけ時間のムダだ!あ~、スッキリした!よし、集中しよう!」
と声に出してみます。声は大きければ大きいほどスッキリします。周りに迷惑をかけない程度に試してみてください。
選択肢を1つにする
自分自身や周りを安定させても、選択肢が多いと迷ってしまいます。選択肢を1つにすれば、迷いがなくなり、集中することができます。
選択肢が2つ以上あると集中できない
「わからないこと」、「悩むこと」、「迷うこと」などがあると集中することができません。集中力を発揮するためには、脊髄反射のようにできるだけ頭を使わずに体を動かす必要があります。
バッターが「次はカーブか?ストレートか?」と迷いながらバッティングしたら、おそらく凡退してしまいます。
単純な作業になるまで分解する
複雑な作業は選択肢が多いため、集中することが難しくなります。複雑な作業は、単純な作業になるまで分解してみてください。
例えば、「英語の小説を1冊読め」という宿題を出された場合。(英語は苦手という前提で考えてください。)
いきなり読み始めても、何が書いてあるかわかりません。読み始めて1分で夢の世界へ行ってしまいます。とても集中などできません。
辞書を片手に、「小説を読む」→「辞書を見る」→「小説を読む」→「辞書を見る」→・・・なんてやっていたら、とても集中することはできません。
この場合は、
- わからない単語にマーカーを引く
- 辞書で単語の意味を調べる
- 小説を読む
というように、作業を分解すると集中しやすくなります。
「わからない単語にマーカーを引く」だけであれば、最初のページから最後のページまで、一気に進めることができます。考える必要はほとんどありません。
マーカー作業が完了したら、次は、「辞書で単語の意味を調べる」作業に移ります。
しかし、辞書には複数の意味が載っているため「どれだろう?」と悩んでいると、その時点で集中力が削がれてしまいます。
「とりあえず一番上に書いてある意味をメモしとこうか」と、事前に決めておけば、迷うことなく作業に集中できます。
辞書で調べる作業が完了したら、次に「小説を読む」作業に移ります。
この時点では、単語の意味は正確にはわかりませんが、おおよその意味はわかるようになっています。そして、小説全体の流れもわかるようになります。
全体の流れさえ掴んでしまえば、単語の正確な意味も掴みやすくなります。
このように、複雑な作業を単純な作業に分解することで、「1分で夢の世界に行ってしまう状態」から「小説の全体の流れを理解できる状態」に変えることができます。そして、その間は高い集中力を維持することができます。
ルーティーンを利用する
ルーティーンとは「同じ動作を繰り返す」といった意味です。
スポーツ選手がルーティーンをよく使っています。例えば、プロゴルファーはボールを打つ前に、必ず同じ動作をします。
「素振り→深呼吸→ボールに向かって歩く→構える→打つ」
といった感じです。(実際はもっと細かいですが・・・)
「なぜこんなことをするの?」と不思議に思う方もいるかもしれません。
理由はいくつかありますが、そのうちの1つが「同じ動作を繰り返すことで、思考を単純化できるから」です。
同じ動作を繰り返すだけなので、あれこれ考える必要がありません。体が勝手に動いてくれるようになります。
つまり、ルーティーンを利用することで、集中力を高めることができます。
ルーティーンはどこでも使えます。例えば、「電車に乗ったら、必ず英語の単語帳を開くようにする」などです。
このように決めておけば、電車に乗ってから「何しよう。ヒマだな・・・」なんて思うことはなくなります。そして、毎日繰り返しているうちにそれが習慣化されて、英単語を開くことが当たり前になります。
短い時間で区切る
ゴールが遠いとやる気が失せる
ゴールが遠いとやる気が失せてしまいます。例えば、さきほどの英語の小説が1000ページもあったら、気持ちが萎えてしまいます。しかし、3ページだけだったらどうでしょうか?なんとか頑張れそうな気がしませんか?
15分程度を目安にしてみる
ゴールまでにかかる時間を15分程度にしてみてください。15分はあくまで目安です。集中力の持続時間が長い人もいれば、短い人もいます。15分過ぎてもまだまだいけるのであれば、時間を伸ばし、逆であれば、時間を縮めてみてください。
適度に休憩する
休憩は超重要!
集中している間は、同じような動作の繰り返しになります。同じ動作を繰り返していると、体のどこかが必ず疲れてきます。目、首、肩、腰、足、手などです。疲れると、余計なことを考えてしまうので集中力が低下してしまいます。
集中した時間の1割程度の時間を休憩時間に充ててみてください。
- 15分集中したら1分30秒の休憩を入れる
- 30分集中したら3分の休憩を入れる
- 60分集中したら6分の休憩を入れる
などです。
休憩も時間を計ろう!
休憩を入れると集中力は完全に途切れてしまいます。そして、そのままダラダラしてしまう可能性があります。それを防ぐために、時間を計ることをおススメします。「作業⇔休憩」のメリハリがつき、集中力を発揮しやすくなります。
ただし、人との接触やスマホはNG
休憩中に、人と接触したり、スマホを触ってしまうと、休憩の予定時間をオーバーしてしまう場合があります。最悪の場合、戻ってこれない場合もあります。
集中すると決めた時間は、人が接触しにくい場所に行く、スマホの電源を切っておく、などの工夫が必要です。
疲れているときは寝る
どんなに素晴らしい環境を整えたとしても、心や体が疲れているときには、集中力が低下してしまいます。
その場合は、まず疲れをとる必要があります。手っ取り早く疲れをとるには寝ることが一番です。1分間、目を閉じるだけでも、多少は疲れがとれます。
競争心を利用する
ライバルと競う
「1人で100mを走ってこい」と言われても走る気は起りません。しかし、自分と同じくらいの速さの人から「勝負しよう」と言われたら、俄然やる気が出てきます。このようにライバルと競うことで、集中力を高めることができます。
「いまいちやる気が出ない・・・」
「集中できない・・・」
そんなときには、ライバル(友達)に声をかけていっしょにやることをおススメします。
過去の自分と競う
都合良くライバルがいるとは限りません。その場合は、過去の自分と競う方法もあります。例えば、「昨日よりも早くやる」とか、「これまでの最高記録を目指す」などです。
メリットを明確にする
自分にメリットがなければ、やる気など起こりません。集中なんてできるはずがありません。
「これをやった先に得るものは何か?どんなメリットがあるのか?」を徹底的に考えてください。
もし、メリットが見つからないのであれば、本来やる必要のないことをやっているかもしれません。もう一歩踏み込むと、他人のメリットのためにやらされているだけかもしれません。
その場合は、集中力を発揮できるわけありませんし、発揮できた場合には集中力の無駄遣いです。
集中できない場合には、一歩下がって「メリットは何だっけ?そもそもメリットあるの?」と考えるクセをつけてみてください。
まとめ
- 安定した環境を整える
- 心を安定させる
- 選択肢を1つにする
- 短い時間で区切る
- 適度に休憩する
- 競争心を利用する
- メリットを明確にする
これらのポイントはすべて重要なのですが、その中でも最も大切なのは「選択肢を1つにすること」です。選択肢が1つしかなければ、それをやるしかありません。まずはこのことを意識してみてください。