ゲームは1日1時間まで?いや、睡眠時間を管理すべきでしょ
ゲームは1日1時間まで?いや、睡眠時間を管理すべきでしょ
「コンピューターゲームは、1日60分まで。学校が休みの日は90分まで。対象は18歳未満の子供」
こんな条例が香川県で検討されているようです。(2020年3月時点)
いやいや、1日1時間って少なすぎるでしょ・・・。
ゲーム愛好家としては納得しかねます。とはいっても、私がキャンキャン言ってもどうしようもないのですが・・・
ただ、この記事をお読みになられている方が、学生の方であれば、そんな制約に縛られずにもっとゲームをやって欲しいと思いますし、保護者の方であれば、お子様をこの制約で縛らないで欲しいと願います。(ただし、適度な休憩は必要。)
一方で、ゲームのやり過ぎは日常生活や将来に支障をきたす可能性があるのも事実。
そこで、私がおススメしたいのは、
「ゲームの時間を管理するのではなく、睡眠時間を管理すること」
この記事では、その理由について説明します。
なぜ、ゲームのやり過ぎはダメなのか?
なぜ、ゲームのやり過ぎはダメなんでしょうか?
香川県の条例(素案)によると
- 学力が低下する
- 体力が低下する
- ひきこもりになる
- 睡眠障害を起こす
- 視力障害を起こす
- 子供は依存状態になると、大人よりも抜け出しにくい
これらの可能性が指摘されています。
たしかにゲームをやり過ぎればそうなりそうです。
でも、それってゲームだけのせいなの?
でも、それってゲームだけのせいなんでしょうか?
正直なところ違和感しかありません。だって、上で挙げた項目のほとんどは他のことにもあてはまるから。
例えば、「勉強」。
- 体力が低下する
- ひきこもりになる
- 睡眠障害を起こす
- 視力障害を起こす
- 子供は依存状態になると、大人よりも抜け出しにくい
これらの項目は「勉強」にハマり過ぎた場合も十分起こり得ます。
だったら「勉強は1日1時間まで」としなければおかしい。
部活だって同じようなものです。部活をやり過ぎれば学力に影響がでます。ゲームの時間を制限するのであれば、「部活は1日1時間まで」としなければおかしい。
テレビはいわずもがな。
「ゲームは1日1時間」は突っ込みどころ満載。全く納得できません。
一番腹立たしいのは・・・
一番腹立たしいのは「ゲームをすると学力が低下する」と考えられていること。
これって家で勉強しろってことですか?
学校で1日中勉強しているのに。
どんだけ勉強やらせるの?
腹立たしくて仕方ありません。
朝8時から夕方16時くらいまで学校にいるのであれば、そこで勉強をしっかりとさせればいい。それで学力が伸びないのであれば、現在の学校教育に問題があるということ。
家での勉強をうんぬん言う前に、学校教育をしっかりとして欲しい。実際、私の関わった生徒達から学校の先生の怠慢をよく聞きます。(逆に、素晴らしい先生がいることも聞きます。)
学校でも勉強させて、家でも勉強させる。こんなことばかりさせていたら、頭でっかちで機械みたいなつまらない人間になってしまいます。受け身でしか動けないような。
少し前であればそのような人が重宝されていたかもしれませんが、機械が進歩してきた世の中では、居場所がなくなりつつあります。青春時代を勉強に費やしたのに報われない。そんな事態は避けなくてはいけません。
家ではもっと自由に自主性を重視する教育に変わって欲しいと願うばかりです。
もちろん、勉強が好きな子供もいるし、「勉強をもっとやらなければ!」と自主的に思っている子供もいます。その人達はどんどん勉強やればいい。
勉強をやりたければ勉強やればいい。
ゲームをやりたければゲームをやればいい。
友達と遊びたければ遊べばいい。
夢中になれることに取り組めば、将来の選択肢の幅が広がっていきます。
一方、強制的に勉強をやらされた子供達は視野が狭くなり、将来困ることになります。
睡眠時間を管理すればいい
ただ、ゲームのやり過ぎは日常生活や将来に支障をきたすのも事実。
そこで提案したいのは、
「ゲームの時間を管理するのではなく、睡眠時間を管理すること」
十分な睡眠時間を確保すれば、1日あたりのゲームの時間は確実に減ります。
睡眠時間を十分に確保すれば・・・
ここで先ほどの「ゲームをやり過ぎることの問題点」を確認してみます。
- 学力が低下する
- 体力が低下する
- ひきこもりになる
- 睡眠障害を起こす
- 視力障害を起こす
- 子供は依存状態になると、大人よりも抜け出しにくい
これらを引き起こす原因の1つは「ゲームをやり過ぎて睡眠時間が削られてしまうこと」ではないでしょうか。
例えば、
ゲームをやり過ぎる
→ 睡眠不足になる
→ 学校の授業が頭に入ってこない
→ 学力が落ちる
など。
睡眠時間を確保すれば解決できるものばかり。
というより、何度も言いますがこれらの問題を「ゲーム」だけのせいにされるのは心外です。ゲームをやっていない子供にも当てはまることなんだから。
「睡眠時間」ならみんなが納得しやすい
「睡眠時間」ならみんなが納得しやすいと思うんですよね。
「ゲームは1日1時間以内」と言われると、つじつまが合わないことだらけなので、子供達はなかなか納得できません。
それに、ゲーム業界の人達も。
みんなに楽しんでもらえるようなゲームを必死に考えているのに、こんな形で制限されるのは納得できないはず。実際、ネット情報ではかなり反発しているようです。まあ、そりゃそうだと思います。
でも、
「心身の成長期にはしっかりと睡眠をとりましょう」
と言われれば、子供達もゲーム業界の人達も納得しやすいはず。
「睡眠時間の管理」に反発する人もいるかもしれません。ですが、そのような人達にとって、ゲームはおそらく関係ありません。もっと毎日を楽しみたい。充実させたい。きっとそんな人達。
でも、辿り着く先はゲーマーとそれほど変わりません。(学力が下がる、睡眠障害を起こす、など)
これらの人達を自由にしておいて、ゲームをやる人だけ規制する。なんともおかしな話です。
「寝る時間」を管理すべし
ゲームは面白いがゆえについつい長時間やってしまいます。ハマってしまえば0時を過ぎてもまだまだやってしまう。そんな事態になりかねません。
「寝る時間」も管理すべきです。
例えば、適切な睡眠時間が7時間30分で、朝6時30分に起きる人であれば、夜11時までに寝る、など。
「ゲームをやめる時間」も管理すべし
ブルーライトを見ると眠れなくなると言われてます。寝る1時間前くらいにはゲームから離れることも必要です。夜11時に寝るのであれば、夜10時にはゲームをやめる、など。
つまり、「ゲームをやめる時間」も管理すべき。
ゲームをやめた後に、ネットを見たり、テレビを見ては本末転倒なのでそれもやめる必要があります。
寝る時間を一定にすべし
寝る時間を一定にすることも重要です。
とくに、金曜日の夜と土曜日の夜。次の日に学校がないため、ついつい夜更かししてしまいます。
ですが、崩れたリズムのしわ寄せは日曜日の夜にやってきます。夜寝れない。朝起きれない。
一度リズムを崩してしまうと戻すのが大変です。「寝る時間」を一定に管理すれば、リズムを一定に保つことができます。
このように考えていくと、「ゲームの時間を管理する」まえに、もっといろいろとやるべきことがあるように思います。それなのに、ゲームを非難されるのは全く納得できません。
ゲームの時間に自由度が生まれる
睡眠時間を管理すれば、ゲームの時間に自由度が生まれます。
例えば、部活のない日はゲームを3時間やる、など。
「ゲームは1日1時間」は短すぎると思います。
もし、「映画を見るのは1時間まで」と制限されたらどうでしょうか?
最近の映画は1時間を超すようなものがたくさんあります。クライマックスに辿り着く前に「はい、60分。ここまで」と打ち切られたら興ざめです。
ゲームだって同じようなものです。
ジャンルにもよりますが、例えば、RPG系のものであれば1時間だけだと全然進みません。フラストレーションが溜まるばかり。
結果、他のことに集中できなくなる。これでは本末転倒です。
ゲームをやる余裕があるときにはガツっとやる、ないときにはやらない。
このようなメリハリが重要だと思います。睡眠時間の管理でメリハリが生まれやすくなります。
適切な睡眠時間は人それぞれ
適切な睡眠時間は人それぞれ。
5時間で十分という人もいれば、8時間は寝ないと体がもたないという人もいる。
つまり、一律で管理することは不可能です。起きる時間もバラバラですし。
結局は家庭で管理するしかありません。
代案を出すとすると・・・
「ゲームは1日1時間まで」の代案を出すとすると次のような感じでしょうか。
- 子供の適切な睡眠時間を把握すること
- その睡眠時間を毎日確保させるように努めること
- 就寝1時間前はブルーライトから離れさせること
これでも子供達からの反発は出るかもしれませんが、「ゲームは1日1時間まで」と言われるよりは納得してくれるような気がします。だって1時間っていう根拠がいまいちわかりませんし。一方、この案なら少なくとも筋は通っています。
それにこの案の場合、ネット依存対策やテレビ依存対策にもなります。ただ、そちら側の子供達からの反発意見が出てきそうです。
とくに、「就寝1時間前はブルーライトから離れること」に対して。
一昔前だったら当たり前のことだったんですが、今ではブルーライトを見ることの方が当たり前になっています。
そのうち人間が進化して、ブルーライトに対する耐性が出来そうです。その前に、ブルーライト完全シャット製品しか販売されなくなるような気もします。
そうなれば、「睡眠時間は毎日しっかりとりましょうね」と言われるだけなので、子供達もより納得しやすいはず。
まあ、これらは私が1人でわめいていてもどうしようもないんですが・・・。
将来の選択肢が狭まる可能性がある
「ゲームは1日1時間」と決められてしまった場合、子供の将来の選択肢が減ってしまう可能性もあります。
例えば、ゲームクリエイターを目指すのであれば、ゲームに触れた時間も重要になります。作曲家を目指す人が「音楽は1日1時間まで」と言われたら、おそらく優れた作曲家にはなれない。それと同じです。
他にも例えば、eスポーツの選手を目指す場合。eスポーツとはゲームで競い合う競技のこと。海外では優勝者に「億越え」の賞金が出ることもあります。そう考えると、日本のゲーム業界は後れをとっていますね・・・。
当然、eスポーツの選手を目指す場合にも、ゲームに触れた時間が重要になってきます。プロ野球選手を目指す人に「野球は1日1時間まで」と言われてしまえば、おそらくプロ野球選手にはなれません。(作曲家もプロ野球選手も時間をかけたからなれるというものではありませんが・・・)
このように、ゲームの時間を制限すると、一部の人達だけとはいえ、子供達の選択肢を狭めることになります。
ゲーム産業は経済の一角を担っています。海外勢に負ければ、日本の経済にも少なからず影響が出ます。
そういった意味でも「ゲームは1日1時間」に反対です。
そもそも、大人をしっかりさせんかい!
そもそも、「大人をしっかりさせんかい!」と思います。
だって、子供達は大人達の背中を見て育つのだから。
子供に勉強させたいのであれば、大人にもっと勉強させればいい。
例えば、親がコツコツと勉強をしていれば、子供は自然と真似をするようになります。
逆に、家でダラダラとしていたら子供はそれを真似します。そんな親に「しっかりせい!」と言われても納得できません。
ただ、親は仕事や家事があるので、ゆっくりする時間も必要。
でも、それは子供達だって同じこと。学校行って、部活に行って、塾に行って。おそらく、学生の方が社会人よりもはるかに忙しい。
それなのに子供にだけ「ゲームは1時間までだ!」というのは納得できません。
もし、そう言いたいのであれば、大人にも
「ゲームは1時間まで」
「テレビは1時間まで」
「飲み会は1時間まで」
など、このような制限をつけるべきだと思います。
ただ、私自身はそんなことは望んでいません。言いたいことは矛盾したことを子供に押し付けるな、ということです。
ゲームに反対する人って・・・
あと、ゲームに反対する人って
「ゲームをやったことのない人」
「ゲームをやったけど面白いと感じない人」
とかだと思うんですよね。
「自分はつまらないと思うから、他の人達もやるべきではない」
これって独裁者と同じ考え方ですよね。考え方がヤバイと思います。
こういう人は、きっととんでもないパワハラをしそうだし、差別もしそう。あくまで、私の偏見ですが・・・
もう少し他人の気持ちを汲める人になって欲しいとは個人的に思います。
あと、メチャメチャ自分はゲームをしている、もしくは子供の頃にゲームをしていたのにもかかわらず、子供にゲームをやらせない人。これも説得力に欠けます。
ゲームをやりたければ学校で全力で勉強せい!
1日は24時間しかありません。
睡眠時間や学校の時間などを差し引いていくと、ゲームをできる時間は限られています。
そこに、学校の宿題、予習、復習などが入ってくれば、どんどんゲームをできる時間は減ってしまいます。
ゲームの時間を増やしたければ、学校にいる間に全力で勉強することをおススメします。
宿題なんて学校の空き時間で終わらせてしまえばいい。
学校の授業中には、ヒマな時間があるはず。例えば、他の生徒が当てられている間など。
ちなみに、私は家で宿題をやったことはありません。学校にいる間に必ず終わらせていました。だってなんか悔しくないですか?家に帰ってからまで勉強させられるのって。
ただ、その代わりに予習はしっかりやりました。予習をやっておくと、授業がわかるので空き時間が生まれやすくなります。しかも、授業中に復習も完了します。
「宿題」も「予習」も勉強と言う意味では同じ。ですが、私は「宿題」が大嫌いです。なんかやらされている感じがするので。でも、「予習」だったら自分から積極的にやっている感じがして楽しい。あくまで個人的な感想ですが・・・
学校の勉強は超重要!
学校の勉強は超重要です。
理由は、テストの点を取るため、志望校に合格するためではありません。(今の教育では、それも重要ではあるのですが)
人類が何千年もかけて蓄積してきた知識や知恵を学ぶことができるからです。
学校教育はその中でも「これだけは絶対に外せない!」というものが選定されています。
これらを勉強しないのは愚行です。自分の将来の道を自ら狭めているようなもの。学校で習うことは全力で身につけることをおススメします。将来必ず役に立ちます。
「ヒマだからゲームをする」はやめよう
私はゲームは大好きです。子供達にもどんどんやって欲しいと思っています。
ただ、「ヒマだからゲームをするか・・・」。そんな人はゲームなんてやらない方がいい。
そんな理由でゲームをやるのはそれこそ時間のムダ。勉強した方が百倍マシです。
世の中に面白いこと、楽しいことは溢れています。ゲーム以外の自分が夢中になれるものを探すことをおススメします。
適度な休憩は必須
適度な休憩は必須です。
ゲームを長時間やると目がかなり疲れます。場合によっては頭痛になることも。(実際、私自身にそんな経験があります。)
目安は1時間に1回くらいがおススメです。
トイレに行く、水分を摂る、など簡単な休憩だけでも入れることをおススメします。
食事は食べ過ぎになる恐れがあるので要注意です。
まとめ
「ゲームの時間を管理するのではなく、睡眠時間を管理すればいい」
こっちの方がより多くの人が納得できる。私はそう思います。
「ゲームは1日1時間とする」
それを聞いたときに、なんかゲームをやっている人達がバカにされているような気がして、それが悔しくてこの記事を書きました。
人生はもっと自由でいいはずなのに、頭の凝り固まった人達のせいで勝手に進む道が決められていく。しかも変な方向に。傲慢だし、古い考えだなと思った次第です。
それに、ゲームで育まれることもたくさんあります。
例えば、ゲームで学力を伸ばすこともできるし、スポーツの成績を伸ばすこともできます。これらの理由については、下の記事で紹介しています。もしよければお読みください。
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