医学部に進んで本当にいいのか?後悔しない選択を
医学部に進んで本当にいいのか?後悔しない選択を
病気を治すことができる。
ケガを治すことができる。
ときには、人の命を救うこともできる。
お医者さんの仕事は魅力的だし、何よりカッコいい。憧れの職業の1つです。
医学部の人気が出るのも納得できます。
でも、医学部の人気が「過剰すぎる」のではないかと少し不安を感じています。
本当に医者になりたいのか?
「一人でも多くの人を命を救いたい!」
「患者さんや家族の笑顔が見たい!」
そのような人はドンドンお医者さんになって欲しいと願うのですが、そうでない人まで医学部を志望しているような気がします。
例えば、
「医者になっておけば将来困らないだろう」
「成績がいいから、とりあえず医学部に行っておくか」
「親が医者だし、自分も医者になっておくか」
などの人達です。
もちろん、職業を選ぶのは自由なので誰にも文句は言えないのですが、そのせいで「本当にお医者さんになりたい人」がお医者さんになれない現実を少し残念に思います。
※ 2021年1月現在、医療現場の人達がコロナウィルスの最前線で戦ってくれています。まさに命をかけて。本当にありがたいことです。
世の中には、この最前線に自ら進んで飛び込んで「一人でも多くの人を救いたい!」と考えている人もいます。
でも、学校の成績次第ではその人が医者になれない可能性がある。このことに物凄い違和感を覚えてしまいます。
医者になるのに受験勉強がそんなに必要なのか?
「医者になりたければ、もっと勉強すればいいだけだ」
そう言われてしまえば、今の日本ではその通り。
しかし、「医者になるのに受験勉強がそんなに必要なのか?」という疑問が残ります。
お医者さんになるためには
- コミュニケーション能力
- 手先の器用さ
- 体力
- 精神力
- 集中力
- 忍耐力
- 責任感
- 問題解決能力
- 記憶力
など、総合的なスキルが必要だと推察されます。
それなのに、「学校の成績が良い人しか医者になれない」というのは不自然です。
また、学校の成績が良い人が医学部にどんどん集まっていくのも違和感があります。
医者になれば将来安泰なのか?
もし、「医者になれば将来安泰だ!」という理由で、医学部を志望するのであれば、将来後悔するかもしれません。
10年後、20年後には、医者の需要が減る可能性があるからです。
理由は2つ。「ネットの普及」と「AIの進歩」。
ネットの普及により、将来的には医者の需要が減る可能性がある
今までは風邪をひいたり、ケガをしたら、お医者さんに頼らざるを得ませんでした。しかし、現在はネットの普及により、ネット検索すれば、病状や処置などが素人でもある程度わかるようになりました。
しかも、下手をすればお医者さんに診てもらうよりも的確に判断できる場合があります。お医者さんは頭が良いといっても、1人の人間。膨大なネットの情報には勝てないときもあります。
もし、患者自身が自分の病状と処置を理解している場合、お医者さんに診てもらうのは二度手間。時間のムダでしかありません。
それに、「誤診」も発見されやすくなります。ネットの普及などにより、一般の人の「医療知識」は年々高まっています。
もちろん、誤診は罰せられるべきです。
でも、お医者さんは手を抜いているわけではありません。真剣に診断しています。それでも、誤診は発生してしまいます。
どんなに素晴らしいお医者さんでも必ずミスをします。ミスをしない人はいません。
つまり、どんなに真剣でも、どんなに優秀でも、今まで以上に非難されやすい環境になるということです。
「医者になれば将来安泰だ」
「とくに信念はないけど、とりあえず医者になっておくか」
そんな中途半端な覚悟で医者を目指すのであれば、おそらく、割に合いません。
AIが進歩すれば、おそらく診療医は不要になる
とはいっても、素人がネットで病状を判断するのは危険すぎます。それに、手術もできなければ、薬の処方もできません。
そういった意味では、医者は必要。
ですが、もっと恐ろしい(ある意味ありがたい?)のは「AIの進歩」です。
お医者さんがどうやって病状や処置を判断するか?
それは、「患者の状態」と「お医者さん自身が持っている知識」を組み合わせて判断します。
例えば、熱を測って、口の中を見て、心臓音を聞いて、レントゲンを撮る。その結果から、病名を判断し、薬を処方する、など。
でも、これはAIの得意分野です。過去の病状とその対処法を無数にストックしておき、その中から最適解を導き出す。
このようなAIであれば、AI素人の私でも創れるイメージが湧きます。もし、AIのプロが本気で製作しようと思えば、おそらく数年で創れます。
このようなAIには、人間が逆立ちしても勝てません。もっと複雑な「将棋のAI」にすら人間が勝てなくなってきました。
つまり、このようなAIが出来上がってしまえば、診療医は不要。診療医というよりも、そのAIを操作する人が必要になります。もしかしたら、病院に通うことなくネットから自分で診断、薬を手配、なんて日がくるかもしれません。
しばらくは、医学会(政治的な力)が反対し、このようなAIが創られることはないと思います。しかし、そう遠くない未来にきっと創られてしまう。
そうなったとき、診療医の人は路頭に迷う、もしくは、医者ではなく「AIの操作者」として働くことになります。
「安泰」という意味では、魅力的ではなくなる
つまり、10年後、20年後の未来では、医者は「安泰」という意味では魅力的でなくなる可能性があります。
「手術」や「研究」をメインにする医者は、AIの影響を受けにくいものの、競争率が高くなります。職を手にするための熾烈な争いが始まります。(もっともっと先の未来では、手術もAIがしてそうですが・・・)
もし、「安泰」を得るために医者を目指すのであればおススメしません。
「安泰とか関係なく、一人でも多くの命を救いたい」
そのような志を持つ人でないと、将来きっと後悔することになります。
医者以外にも魅力的な仕事はたくさんある
医学部の人気が過剰すぎるのを不安に思い、この記事を書きました。
学校の成績の良い人、ここではあえて「優秀な人材」とすると、優秀な人材が医学部に流れ過ぎていて、もったいないような気がします。
優秀な人材が、AIに仕事を奪われる。奪われた本人も無念かもしれませんが、国の損失にもなります。
医学部に流れている優秀な人材の数パーセントでもいいので、他の分野に行ってくれれば、世界的な大発明につながっていくのではないか、そんな気がしてなりません。
もちろん、お医者さんが優秀であることは、一般人にとってありがたいことなのですが、優秀な人材で溢れ返っているような気がします。
「医者になっておけば将来困らないだろう」
「成績がいいから、とりあえず医学部に行っておくか」
「親が医者だし、自分も医者になっておくか」
そのような気持ちで医学部に進む人は、自分自身が将来後悔しないためにも、また、本当にお医者さんになりたい人のためにも、ぜひ一度立ち止まって、将来の進路を考えてみて欲しいと思います。
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